みなさま:

大変な寒波と雪、大丈夫だったでしょうか?

ポーランドといえばショパン。今号のメールマガジンからは

 

ショパンのピアノ曲が流れてきそうです。(山田)

Chopin w Plakacie」「ポスターの中のショパン」201070x100cm

 

  Piotr Młodożeniec ピヨトール・ムウォドジェニェツ  1956ー)

 「ポスターの中のショパン」がテーマの展覧会ポスターである。ショパンはポーランド出身で、とても愛されている音楽家だ。ワルシャワ中心部のワジェンキ公園では、1年のうちサマータイムの期間、毎週日曜日には、無料のピアノコンサートが行われている。観光で日曜日に当たったらぜひ訪れてほしい。緑の深い、広い公園のショパン像の下にピアノが設置され、時間になるとどこからかたくさんの人がその周りを囲んで座り、演奏を待つ。しっとり落ち着いた感じのいい時間が過ごせる。
 国内ではそれに限らず、さまざまな場所であらゆるショパンのコンサートが開かれ、デザイナーが個性を発揮してポスターを作る。それらを収集し、取り扱っているギャラリーの展示がこのポスターだ。ポスターのような矩形を、男(ショパン)が通り抜けた後のシルエットは、よりくっきりしている。
ピヨトールは、このメールマガジン第1回目の「広告塔百景」で紹介した、ワルシャワで私が初めて出会ったポスターの作者であり、第2回目に取り上げたヤン・ムウォドジェニェツの

 息子である。ワルシャワ美術アカデミーではトマシェフスキに師事した。わざと不恰好に描いたイラストや文字を使って、ポスターという空間にちりばめる。その形や構成が鮮やかで、彼の個性になっており、誰にもまねすることができない。ワルシャワ国際ポスタービエンナーレを訪れ、彼に会ったときは、小さな息子さんと一緒で、ふんわりやさしいお兄さんという感じだった。ゆっくり流れる時間を感じた。

企画/山田信子(日本国際ポスター美術館ディレクター)

 

テキスト・ポーランド広告塔百景/宮川友子(グラフィックデザイナー、岐阜市立女子短期大学講師)