みなさま
「世界の至宝ポーランドポスター」も、今号で12回目となりました。
3月号は5月開催予定の展覧会の準備と重なり、やむなく休刊いたしましたが、ここで一区切りとさせていただきます。
はや、芽吹きが始まりました。
爽やかな季節、健やかにお過ごしください。 (山田)
お願い:このマガジンについてのアンケートを添付しました。
今後のポスター研究・活動の資料や指針にするため、
ご協力いただければ幸いです。
「Ogaki Matsuri Festival」「大垣まつり」
2017、72.8x103cm
アグニエスカ・ジェミシェフスカ Agnieszka Ziemiszewska
日本国際ポスター美術館では、2016年にすでに1度「大垣まつり」をテーマに世界のデザイナーからポスターのデザインを募集し展覧会を終えていたが、これはそのあと、2017年に同じテーマで再び募集をしたもののうちの1枚だ。日本という外国の、特定の知らない祭をテーマとしてポスターを募ること、ましてや2度もと心配していたが、多くの応募があってほっとしたのを覚えている。
世界でこのようにイベントのためにポスターを募るものとしては、ドイツのヨットのイベント、キールウィークが思い浮かぶ。毎年ポスターデザインが招待制で募集され、選ばれたものはポスターだけでなくグッズやお土産などにも使用される(注1)。
ジェミシェフスカは、この12回のメールマガジン「世界の至宝ポーランドポスター」のシリーズのうち、最も若くかつ女性である。ワルシャワにあるポーランド日本情報工科大学ニューメディア芸術学部の教授であり、ポスターに関する情報・魅力を世界に向けて発信する(注2)など、ポスター界を牽引するグラフィックデザイナーと言える。
普段からカラフルなグラフィックと大胆な構成でポスターを構成している。言葉の内容や、それらが街にあること、展覧会をキュレーションすることなどが彼女にとって重要のようだ(注3)。この「ogaki matsuri festival」と描かれたポスターも、美濃和紙にシルクスクリーンで刷られ、街を彩った。
彼女は私と面識が無いにも関わらず、ポスターコンテストの審査員の依頼をしてきたり、他のポスター展に声をかけてきたりして、刺激を受け、交流をしている。
注1:https://www.kieler-woche.de/de/service/design.php
注2:https://www.facebook.com/poster.org/
注3:https://ziemi.art.pl/
企画/山田信子(日本国際ポスター美術館ディレクター)
テキスト・ポーランド広告塔百景/宮川友子((グラフィックデザイナー、岐阜市立女子短期大学講師)